Armand's Sorrow
私のアマデオについて語ろう。アマデオ、私の心の永遠の傷。 彼がどうか私の弱さを許してくれますように…。
彼を、あの歳で、今の姿にしてしまったのは私だ。 15世紀ベネチア、私の養育のもとで少しずつ取り戻していた希望は、あの日を境に、暗闇の時代と過ぎ行く月日に抹殺されてしまった。繰り返し大切な人々から 引き裂かれてしまったアマデオの心は、今も傷ついた少年のままなのだ。 私は、アルマンのあの甘受しきった表情を目の当たりにする度に、ぞっとする。心に宿る絶望と闘う気力すら、彼にはないようだ。彼自身の崩壊でしか終われない、絶望なのだ。 アマデオ、神の子よ。 暗い、澄んだ瞳で おまえは何を見ている? もしあんなに早く別れることがなかったら、もっと彼を愛し、育み、 己れの存在がどれほど素晴らしいものか、彼自身にも理解して貰えただろうに…! 彼は迷える子供だ――無理に背伸びをしながら、心の故郷へと導いてくれる誰かを、数百年も捜し求め続けていたのだ。そしていつの間にか、自分でつけた仮面を、はずすことができなくなっている。 結局、最後まで私は、彼の期待に応えられなかった。 もっと早く、見つけだすべきだった。彼に手を差し伸べ、希望の光を掴ませてやるべきだったのだ! 今、ダニエルの存在は彼に安らぎを与えるようだが、悦ばしいことだ。アルマンは、私の癒えることのない 永遠の傷。ただ、彼がまた希望を見つけ出し、絶望を忘れられることを、祈るのみだ。 --Marius |
Uploaded February 23, 2001