Daniel's History
◆ 1953年頃、アメリカで生まれる。22、3歳の青年記者として いろいろな人物をインタビューしながら生計を立てていたが、そんなある日、サンフランシスコでバンパイヤ・ルイをインタビュー することに。ルイの話を聞くうちに、 ダニエルはバンパイヤへの強い憧れを抱くようになる。ルイにもその旨を伝えたが かえって怒らせてしまい、脅し代わりに血を吸われただけで、ルイに置いてかれてしまう。 ◆ ここで諦めるダニエルではなく、無我夢中にニューオリンズへと向かった。道中、 インタビューの内容を書き出して出版社に送り付けたが、そんなことは彼にとって二の次だった。ルイ出会った10日後、ダニエルは レスタトの住んでいた屋敷へたどり着いた。もう誰もいない館の中を歩き回り、 レスタトも実在していたことに酔いしれているダニエルだったが、そうして数週間 過ぎたある夜、彼の前にアルマンが姿を現わした。 ◆ アルマンはすぐダニエルを襲ったが、何故か殺しはせず、3日間彼を暗い牢に 閉じ込めただけだった。4日目にまた現われたアルマン。いますぐ殺さないかわり、 私から逃げてみろ、私はおまえを見ている、とダニエルに言いわたす。勿論飽きたら その時殺すかもしれない、とも言う。 ◆ こうやって始まったふたりの鬼ごっこだったが、ダニエルがどんなに遠くへ 必死に逃げても、そこにはいつもアルマンの姿があるのだった。そのうちに、 ただ見てるのに飽きたらしいアルマンは、ダニエルに話しかけるようになり、人間の彼が食事をするのを横で楽しそうに見守ったり、夜中に彼をたたき起こしてはとんでもないことをさせたり、映画・コンサート等に 引っ張って行ったりするのだった。 ◆ 世界中を逃げ回ること4年間。イタリアにいたダニエルは、珍しくアルマンに 会わないまま一夏を過ごしたのだったが、何か物足りない気持ちに襲われる。 やっとアルマンがまた現われたとき、彼は、アルマンが自分にとって 「秘密の恋人」となっていたことを自覚するのだった。この時、アルマンは ダニエルの血を飲み、ダニエルにも初めて自分の血を少し与えたが、これを期に ふたりは恋人として暮らすようになった。 ◆ 主にニューヨークに住みながら、アルマンはダニエルを通して20世紀後半を 理解しようと、いろいろなことを試みてみた。人間とも交流するようになり、 すっかり現代人らしくなって人間らしささえも取り戻して来たようなアルマン だったが、相変わらずダニエルを仲間にしようとしない。しかしダニエルのことは しっかり愛してるらしく、宝探しなどして大金持ちとなったアルマンは、 ダニエルのためにマイアミの「夜の島」を造り上げた。 ◆ 夜の島へ移り住んだふたりだったが、ダニエルの焦りは増して行くばかり。 何故自分を仲間にしてくれないのか、ひとりだけ老いて死んで行くのはいやだ、 愛してくれてるのじゃないのか、とくってかかるダニエルに対し、アルマンは、 それだけは出来ない、闇の仲間にするくらいなら、いっそおまえを殺したほうが ましだ、と言い、ダニエルの願いを退ける。時にはアルマンを泣かせてしまうほど、 ダニエルは彼に迫るのだったが、ついにやりきれずダニエルはまたアルマンから 逃げ出してしまう。 ◆ 夜の島を離れたダニエルは、あてもなく放浪の旅をする。お金もなくなり、 身体も壊れかけて死にそうになった時だけ、アルマンはダニエルを迎えに 来るのだが、また回復すればダニエルは出て行ってしまう。 ◆ そんなことを繰り返しているふたりだったが、1985年、シカゴを うろついていたダニエルは、赤毛の双子の夢とそれに伴なう不吉な予感に 恐怖を感じ、必死にアルマンを呼ぶ。迎えに来たアルマンも、同じ夢や どこからともなく送られて来る危険信号、そして世界中のバンパイヤ達が 破壊されていることで、不安気だ。とにかくサンフランシスコのレスタトの もとへふたりで行くことを決意していたが、しかしダニエルは今までの ひどい生活とアルコールの飲み過ぎで死にかけていた。ここで彼を亡くすには 耐えられないと認めざるを得なかったアルマンは、ついにダニエルを バンパイヤにしてしまう。 ◆ サンフランシスコにたどり着いたふたりは、レスタトのコンサートへと向かう。 (この辺で、はにかみながらダニエルに「バンパイヤになったおまえも なかなかいい」とのようなことを言うアルマンが、最高にかわいいです。 vv…なんて言ってる場合じゃない。 話もとに戻って、コンサート場へ向かうふたり。) そこでレスタトと合流しよう、というのだ。しかしコンサートが終わった途端、レスタトに殺意を抱くバンパイヤたちはレスを襲いにかかるし、人間たちも 違う意味でレスたちに襲いかかり、会場周辺はごった返しに。その上、 バンパイヤ達がアカシャの力によって突然発火していくものだから、 完全パニック状態になってしまう。アルマンとダニエルはレスと落ち合うのを 断念し、その場を去る。 ◆ ふたりはその後、残りのバンパイヤ達同様、ソノマの屋敷へと向かう。 そこで話に聞いていたバンパイヤたちに会えたことで、ダニエルは身の心配をするどころではなく、興奮しているばかりだった。はっきり言って、 もう見ること・聞くこと全てが新鮮で、面白くて、バンパイヤになれたことが 嬉しくてたまらないダニエル。アルマンは、「私がふたり分の心配を している」と苦笑する。 ◆ アカシャ事件(?)も幕を閉じ、無事生き残ったふたりは、他の バンパイヤ達(数名を除く)を引き連れて夜の島へと戻る。ここで皆は 休息しながら、事件で受けた精神的なショックからのんびり立ち上がるが、 ダニエルはカイマンから古代ギリシャやトロイの話を聞いたり、憧れのレスと おしゃべりしてみたりして、楽しそうだ。(ところでレスは、「誘えば いっしょにこの島を離れてくれそうだ」とか言ってますが、まーたーレスさん、 アルマンが読んだら怒るようなことを…。) ◆ その後、ダニエルのことは殆ど聞きません。彼は今、一体どこで何をして いるんでしょう…。 |
Updated July 4, 1997