ャングル・

1730年頃イタリアで生まれ、育つ。読み書きが出来ることと、侯爵と結婚したことから、おそらく貴族の出だと思われる。哀しくも、彼女の嫁ぎ先のリオンクール家は貧しく、廃退的で、リオンクール侯や息子達は教養がなかった。

ただ一人、末息子レスタトとは根本的に気が合うことに、気づく。普段は家族のことには全く無関心で、触られることを疎んじ、「お母さま」と呼ばれること自体嫌っているのだが、レスだけには時々話しかけたり、レスがいろんな問題を起こしても、いつもさりげなく彼の味方をしてくれる。

そんな時、彼女は自分が結核でもうじき死ぬことと、「死」に対する恐怖をレスに打ち明ける。城や村から抜け出ることも、自己主張も許されず、ただ子供を産んだだけで一生を終える空しさ・悔しさ。ガブは、一人の人間として満たされぬまま死ぬのがたまらなく辛かった。せめてレスタトには、もっといい人生を送って欲しい。そう思い、ただちにパリへ逃げるよう、レスを説得する。

死ぬ直前一目レスに会いたい、とガブはパリへ出て来るが、再会したレスが人間ではないことを知る。レスが「私と同類にならないか?」と聞くと、ガブはためらわずにバンパイヤになることを選ぶ。

バンパイヤの血ですっかり若返ってしまったガブ。その時代では考えられないことだが、男装をしたり(よーするに、ズボンをはく、ってこと)、思いっきり暴れ回ったり、新しい自由に酔いしれて、レスを苦笑させる。きっとバンパイヤ達の中で、バンパイヤになったことを全く悔やんだり苦しく思ったりしなかったのは、ガブリエル一人だろう。ただ、邪魔な髪の毛を切った翌夜、髪がまたもとの通りに戻ってることに気づいた時だけ、永遠に変化がないという事実の重みに気づいてパニックしたが、そんなエピソードは一回きりだった。

数年間、レスといっしょにアルマンのカブンと戦い、その後、レスと供にヨーロッパ中旅をする。しかし、都会の人混みを好むレスとは対照的に、誰もいない自然の中をさまようのが好きなガブは、だんだんレスのもとを離れていく。

1789年頃、二人はカイロへ辿り着くが、フランス革命でリオンクール家の息子達は殺され、侯爵一人アメリカへ亡命したことを知らされる。レスは父親と合流しにアメリカに向かうが、ガブリエルはここでレスタトに別れを告げる。「もしこの存在を断とうと思ったとしても、必ず私にもう一度会って」と、彼に約束させて。

このあと、ガブリエルは消息を一切断つ。そして1984年。若いバンパイヤ達に襲われ、コンサート会場から脱出しようとするレスとルイの前に、赤いポルシェで救助に来るのが、ガブリエルだった。格好良いぜ…vv

その明け方、レスはアカシャにさらわれてしまうけれど、ソノマのマハレの家で集まったバンパイヤ達と供に、レスの帰りを待つ。

Updated June 8, 1999