Armand

◆ 15世紀の始め、ロシアの大草原地帯にある部落にて生まれる。 10歳(推定)頃の時、タタール族の者にさらわれ、コンスタンチノープルを 経てベネチアの売春宿に売られてしまう。そんな彼を、ある日赤いベルベット の服を纏った、白髪の男に買い取る(身請け、っていうんですか?笑)。 それがマリウスだった。

◆ ルネッサンスの画家として暮らすマリウスのもとで、アルマンは可愛がられ、 幸せな2、3年を過ごすが、16歳になった頃ついにバンパイヤにされる。 それはアルマンも望んでいたことだった。しかしそんな幸せも束の間、ある夜、 「護られるべき者」の伝説を知り、その居場所を探り出そうとするローマの 「闇の子供達」カブンに襲われてしまう。炎に包まれたマリウスの姿を最後に、 アルマンは愛しい「ご主人様」と離れ離れになってしまうのだった。

◆ 捕われたアルマンは、カブンのリーダー・サンティーノに、「掟」を教わり、 「闇の子供達」の仲間となる。時が経つにつれアルマンは徐々に力を増してゆき、 宣教師(笑)となってヨーロッパを旅した。彼は決して自分では仲間を 作ろうとはせず、餌食となる人間も、切実に死にたいと思ってる者だけを 呼び寄せるようにしていた。

◆ そんな暗い、希望もなにもない年月を過ごした アルマンの前に、突然ガブリエル引き連れた レスタトが現われた。アルマンにはまるで、 400年前のマリウスがまた現われたように思え、恐怖心に襲われる。 そして400年前、彼自身が襲われたように、今度はレスを襲ったのだった。が。 そんな簡単にやられるようなレスではなく、反対にアルマンの方が、負けを 認めざるを得なくなった。新しい時代を、思想を学ぶために、アルマンは レスタトに、きっとマリウスのような師を求めたのかもしれない。しかし彼の 求愛はレスにことごとく拒否され、アルマンは深くプライドを 傷つけられてしまう。

◆ 行き場のなくなったアルマンは、レスとガブに説得されてバンパイヤ劇場の リーダーとしてパリに残ることに。ついでにニコラ・ド・ランファン のことも任されてしまう。

◆ そうしてまた100年近く経つのだったが、そんなある日、パリに ルイ・ド・ポワン・ドゥ・ラッククロウディアが訪れる。ふたりを劇場に招待する アルマンだが、ルイに非常に興味を持ち、なんとしても手に入れようと決心する。 そのためにはクロウが邪魔な訳だが、彼は、そのずばぬけた精神力(?)を 利用して、クロウに「おまえは死ぬべきだ」と説得しかける。劇団の バンパイヤ達が、この謎に包まれた二人を嫌ってることを、良く理解している アルマンだが、都合良く、ルイたちがいるのを知らずにやって来たレスが、 クロウに殺されかけた事実をアルマンに全て話してしまう。このことを知った バンパイヤたちは、クロウを処分する口実が出来たことで、喜び勇んでクロウ、ルイ、 マドレーヌをさらって来る。ルイに触れてはいけないことを了解しているバンパイヤたちは、 クロウとマドレーヌを陽にさらして処刑してしまう。アルマンはそれを全て黙認。 ルイに、「何故助けてやらなかった」と攻め立てられても、「私には何も出来なかった」 と嘘をつき通す。

◆ そんな嘘を信じてなんかいないルイだけど、やっぱりアルマンには惹かれてる ことには変わりなかった。アルマンは、今度はルイがバンパイヤ劇場を 破壊するのを黙認。そしてふたりは旅に出るのだったが、その前にアルマンは、 彼を拒否し続けるレスへの復讐として、弱ってるレスをパリの塔から 突き落としたのだった。

◆ アルマンとルイは、いずれニューオリンズへ渡る。そこでルイはレスと 再会するのだが、ルイはもう怒りも何も感じなかった、と アルマンに言う。ルイを通して時代の怒りや葛藤を理解しようとする アルマンには、こんな無感情なルイは必要なくなってしまったのだ。幻滅を 感じたアルマンは、言葉少なに、ルイの元を去る。

◆ それからさらに一世紀。「夜明けのバンパイヤ」を読んだアルマンは、 ダニエル・マロイと出会う。 今度はダニエル相手に時代を学ぼうとするアルマン、実に楽しそうである (でもダニエルは大迷惑…)。散々ダニエルを玩んだ末、アカシャの目覚めに、 彼の身を案じてついにバンパイヤにする。これはアルマンお初。おかげで ダニエルはかなりパワフルな若バンパイヤのはず(ま、デビッドやジェシーに 比べたら、まだまだだけど)。

◆ 1985年には、アルマンはさらに敬愛する師、マリウスと再会する。 愛しさと、哀しさ。諦めに似たようなものが漂う再会だった。

◆ アカシャの死後、残ったバンパイヤ達は暫くアルマン所有の、マイアミに ある「夜の島」に滞在するが、色々あった後だったので、皆一息つき たかったのだろう。アルマンも、カイマンと平和に チェスをしている姿があった。

◆ …そして「メムノック」へ…(「肉体泥棒」に出て来たかも、覚えてません)。 「メムノック」ではアルマンの×××(号泣)。いまだに納得行きません。

Updated August 21, 1998